技術面接の目的はスキルの確認
ITエンジニアの選考における技術面接とは、企業が応募者の技術レベルを確認するために行われる面接を指します。技術面接の内容として、通常の採用面接ではあまり深掘りされない技術的な質問や、プログラミング課題などがある場合があります。
企業によって所要時間や面接の形態は異なるため、事前に選考情報を確認しておくと良いでしょう。
また、技術面接は一般的な面接とは異なり面接官が現場担当のエンジニアであることが多く、これまでのエンジニアとしての経験やスキル、業務に対してどのように思考して取り組んできたかなどを中心に質問されます。
技術面接でよく聞かれる質問と回答5選
経歴に関する質問と回答例
1.前職を退職された理由を教えてください。
面接官は応募者の退職理由から組織への適応力や理想のキャリアなどを判断することもあります。回答する際は、「残業が大変だった」「上司と合わなかった」といったネガティブな理由は避け、未来へつながる内容にすることをおすすめします。
【回答例】
私はエンジニアとして上流工程に携わりたいと考え退職を決意いたしました。
前職では開発フェーズの案件に関わることが多く、8年ほど下流工程に従事しスキルを磨いてまいりました。プロジェクトリーダーを任された経験やクライアント折衝の経験もあるため、前職で身に付けたスキルを活かして上流で主体的に開発に携わりたいと考えております。
2.技術的な知識や資格を常に最新の状態にするために必要なことは何だと思いますか?
この質問は、情報を自分からキャッチアップすることができるかということや、自己研鑽をすることに抵抗が無いかといったことを確認する意図があります。普段行っている情報収集について、エンジニアとして参加しているコミュニティ、今行っている自己研鑽などがある方はその内容を話すと良いでしょう。
【回答例】
技術的な知識や資格を常に最新の状態にするためには、情報収集を怠らないことが必要不可欠であると考えています。
私は普段○○というエンジニア専門のコミュニティサイトで情報収集を行っており、時には得た情報をアウトプットするため自ら投稿することもあります。何千人ものエンジニアが集まるサイトであるため、常にトレンドや最新情報が投稿されており、他人の投稿を見るだけでもかなり勉強になります。
また、○○資格取得に向けて自己研鑽を行っております。自分の理想のキャリアパスを見据えて、希望の職種に就いて活躍するためにもスキルアップできる資格を常に探すようにしています。
行動に関する質問
3.あなたが携わったプロジェクトでの役割と業務について教えてください。
面接官は応募者が関わったことがあるプロジェクトや役割から、自社にとって必要な人材かどうかを判断します。回答する際は、複数のプロジェクト経験がある場合はその旨を伝えつつ、一番アピールしたいプロジェクトについて深く話せるようにしましょう。
【回答例】
私はこれまで20プロジェクトに参画した中で、要件定義フェーズの技術を磨いてまいりました。
システムエンジニアとしてクライアントが持つ課題や要望をヒアリングし、システムにどう落とし込んでいくかといった判断を確実にしていくことを心掛けて取り組んでいます。前職ではクライアントと密接にかかわる機会が多かった影響もあり、タスクの追加や急なスケジュール変更も頻繁に起きていました。この事態を乗り越えることで、効率と精度を落とさずに軌道修正する方法や、チーム一丸となって動くノウハウを身に付けることができました。
4.もし対立や衝突が起こった場合はどのように解決しますか?
この質問は、チームで動く際に必要となる協調性や社会性を確認する狙いがあります。回答する際は、傾聴力や相手の意見を否定しない柔軟性があることをアピールしましょう。今までの業務の中で対立を解決した経験があれば例としてつけ足しても良いです。
【回答例】
対立や衝突が起こった場合は、相手の意見を否定するのではなくまずは傾聴することを意識しております。
前職では10人ほどが参加しているプロジェクトのリーダーをしていましたが、意見が対立して結論が出ないことも多々ありました。そこで私は、納期を考慮しつつ意見のすり合わせの場を設け、お互いの意見を俯瞰的に見合う機会を作りました。
結果的に、プロジェクトを良くするための結論をチームメンバー全員で統一させることができました。
この経験から、対立が起きたとしてもそれをバネにしてより良いものを作り上げるという姿勢を身に付けることができました。
5.あなたは他者からどのような人物だと言われますか?他者から見た自分像を教えてください。
この質問では、自分自身を客観的に見れているかどうかを確認する意図があります。自己分析が重要で、自分の性格や得意不得意をあらかじめ認識しておくことで回答しやすくなるでしょう。また、自分像についてはポジティブな内容にすると企業から良い印象を持たれやすくなります。
【回答例】
他者からは「石橋を何度も叩くタイプ」だと言われます。
物事を進める際に慎重になってしまうことは自覚しており、時には決断までが遅くなってしまう可能性もありますが、エンジニアとして働くうえではこの性格が役立っていると感じております。
システム運用・保守を行う上で、絶対にミスをしないためにダブルチェックはもちろん、管理シートの活用や定期ミーティングでの意見のすり合わせなどを行い、最後まで石橋を叩きながら業務を完遂しています。