デジタル庁デザインシステム：Biomeによるコードフォーマットとリンター設定...

デジタル庁デザインシステム：Biomeによるコードフォーマットとリンター設定

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あなたはReactコンポーネント開発で、コードスタイルの一貫性や品質維持に悩んでいませんか？チーム開発でフォーマットの統一が難しく、レビュー時間が長くなっていませんか？デジタル庁デザインシステムでは、Biomeという次世代のツールチェーンを採用し、これらの課題を解決しています。

この記事を読むことで、以下のことがわかります：

• Biomeの基本的な設定方法とメリット
• デジタル庁デザインシステムでの実践的な設定例
• フォーマットとリンターのカスタマイズ方法
• 既存プロジェクトへの導入ステップ

Biomeとは：次世代のJavaScriptツールチェーン

Biomeは、Rustで書かれた高速なJavaScript/TypeScriptのフォーマッターとリンターです。ESLintやPrettierに代わる新しいツールとして注目されており、以下の特徴があります：

特徴	説明
高速性	Rust製で非常に高速な処理速度
統合性	フォーマットとリンターを単一ツールで提供
ゼロ設定	デフォルトで適切な設定が提供される
互換性	ESLint/Prettierとの互換性を考慮

デジタル庁デザインシステムのBiome設定

実際のプロジェクトでどのようにBiomeを設定しているのか、デジタル庁デザインシステムの設定例を見てみましょう：

{
  "$schema": "https://biomejs.dev/schemas/2.2.0/schema.json",
  "vcs": {
    "enabled": true,
    "clientKind": "git",
    "useIgnoreFile": true
  },
  "assist": { "actions": { "source": { "organizeImports": "on" } } },
  "files": {
    "includes": ["**/src/**"]
  },
  "formatter": {
    "enabled": true,
    "indentWidth": 2,
    "indentStyle": "space",
    "lineWidth": 100
  },
  "javascript": {
    "parser": {
      "unsafeParameterDecoratorsEnabled": true
    },
    "formatter": {
      "enabled": true,
      "quoteStyle": "single",
      "jsxQuoteStyle": "single",
      "trailingCommas": "all",
      "semicolons": "always",
      "arrowParentheses": "always",
      "quoteProperties": "asNeeded"
    }
  },
  "linter": {
    "enabled": true,
    "rules": {
      "recommended": true,
      "style": {
        "useSelfClosingElements": "off"
      },
      "a11y": {
        "useValidAnchor": "off",
        "noLabelWithoutControl": "off"
      },
      "correctness": {
        "useUniqueElementIds": "off"
      }
    }
  }
}

設定項目の詳細解説

1. 基本設定

2. JavaScript/TypeScript固有設定

// Biomeによるフォーマット例（前）
const exampleComponent = (props)=>{
  return <div className='container'>
    <Button variant="solid-fill" size="md">クリック</Button>
  </div>
}

// Biomeによるフォーマット後
const exampleComponent = (props) => {
  return (
    <div className="container">
      <Button variant="solid-fill" size="md">
        クリック
      </Button>
    </div>
  );
};

3. リンタールールのカスタマイズ

デジタル庁デザインシステムでは、アクセシビリティや特定のスタイルに関するルールを調整しています：

{
  "linter": {
    "rules": {
      "recommended": true,
      "style": {
        "useSelfClosingElements": "off"
      },
      "a11y": {
        "useValidAnchor": "off",
        "noLabelWithoutControl": "off"
      },
      "correctness": {
        "useUniqueElementIds": "off"
      }
    }
  }
}

package.jsonでのスクリプト設定

Biomeを効果的に活用するためのnpmスクリプト設定：

{
  "scripts": {
    "format": "biome format --write src",
    "lint": "biome lint src",
    "lint:fix": "biome check --write src"
  },
  "devDependencies": {
    "@biomejs/biome": "^2.2.0"
  }
}

スクリプトの使い分け

スクリプト	用途	実行例
npm run format	コードフォーマットのみ	スタイル統一
npm run lint	リンター検査のみ	コード品質チェック
npm run lint:fix	自動修正可能な問題を修正	品質改善

実践的な導入ステップ

ステップ1: Biomeのインストール

npm install --save-dev @biomejs/biome

ステップ2: 設定ファイルの作成

biome.jsonファイルを作成し、プロジェクトに合わせて設定をカスタマイズします。

ステップ3: npmスクリプトの追加

package.jsonにBiome関連のスクリプトを追加します。

ステップ4: 既存コードのフォーマット

npm run lint:fix

ステップ5: 開発ワークフローへの統合

カスタム設定のベストプラクティス

1. プロジェクト固有のルール調整

{
  "linter": {
    "rules": {
      "style": {
        "useSelfClosingElements": "off"
      }
    }
  }
}

2. ファイル範囲の指定

{
  "files": {
    "includes": ["src/**", "tests/**"],
    "ignore": ["dist/**", "node_modules/**"]
  }
}

3. エディター連携

VS CodeなどのエディターでBiome拡張機能をインストールし、保存時自動フォーマットを設定します。

既存プロジェクトからの移行

ESLint/PrettierからBiomeへの移行は段階的に行うことをおすすめします：

1. 並行運用: 既存のESLint/Prettier設定を維持しつつ、Biomeを追加
2. 段階的置換: プロジェクトの一部から順次Biomeに移行
3. 完全移行: 問題がなければESLint/Prettierを削除

よくある質問

Q: BiomeはESLintと完全互換ですか？ A: 大部分は互換性がありますが、一部ルールに差異があります。移行時は注意が必要です。

Q: 既存の設定をインポートできますか？ A: BiomeはESLint設定の自動変換を提供していないため、手動での設定調整が必要です。

Q: パフォーマンスはどの程度改善されますか？ A: 大規模プロジェクトではESLint/Prettierより数倍高速です。

まとめ

デジタル庁デザインシステムでは、Biomeを採用することで以下のメリットを実現しています：

• ✅ 開発効率の向上: 高速なフォーマットとリンター検査
• ✅ コード品質の統一: チーム全体での一貫したコードスタイル
• ✅ 設定の簡素化: 単一ツールでのフォーマットとリンター管理
• ✅ アクセシビリティ対応: カスタムルールによるアクセシビリティ確保

Biomeは現代的なJavaScript/TypeScriptプロジェクトに最適なツールチェーンです。デジタル庁デザインシステムの実践例を参考に、あなたのプロジェクトでもBiomeの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

次回は、デジタル庁デザインシステムのTailwind CSSカスタマイズとデザイントークン管理について詳しく解説します。

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